GDMC 執行役員 足立 武士

<海外における人材育成について>

経済産業省では、開発途上国における日本企業のビジネス環境を整備し、同国との貿易及び投資を活性化するため、日本の経済発展を支えてきた制度、システムの移転等による事業環境整備を行うとともに、日本企業にひえきする開発途上国の人材を育成することを目的として、貿易投資促進事業(制度・事業環境整備)を実施しています。

平成27年度の本事業は、経済産業省が一般財団法人海外人材育成協会(HIDA)に委託して実施されておりますが、本事業の一環として、このたびHIDAからの依頼を受けて、ラオス、カンボジアにおいて品質・生産性改善研修コースを実施しました。海外進出したが、現地の従業員教育で苦労されている企業の皆さんの参考になればと思い人材育成のポイントについて解説したいと思います。

Adachi1-1

Adachi1-2

 

<人材育成のポイント(その1)>

私は様々な国(22ヶ国)で仕事をした結果、世界で最も変わった人種が日本人であるという意識を持つようになりました。従って変わっている日本人のやり方を普通の皆さん(海外の皆さん)にそのまま伝えても伝わらないという考え方が持てる様になりました。それから指導方法を工夫するようになりました。

日本人なら当たり前という意識を捨てることがポイントです。どうやったら伝えられるかを考えてみてください。また、相手の性格に応じて説明の方法を変えるという工夫も重要になります。いろいろな方法を試すことで、教える側のスキルアップができます。その結果、『育てられない人材はいない!』と思えるようになるでしょう。私もいつもそう思うのですが、未だに、初めてのタイプに遭遇しています。

 

<人材育成のポイント(その2)>

私は今までに22の国で日本式経営の基礎と言われる、5S・カイゼンの研修や個別指導を実施してきました。その結果、従業員教育で行き詰まっている企業の皆さんに共通している点があることに気がつきました。それは『日本式を導入すれば良い結果が得られる!』と思っていることです。日本で実施している方法をそのまま海外でも同様に実施しようとしていることです。その結果、相手が理解しないことに腹をたてて怒ってしまっているというのが実情です。

怒ることで会社が良くなることはありません。教える側が相手に伝えられていないことに問題があると考えて、教え方を工夫することの必要性を理解してください。日本の実施方法を理解させ、それをどのように現地で活用できるかを現地の人たちと考えてアレンジさせる工夫が重要です。

 

<人材育成のポイント(その3)>

私の指導方針の基本は山本五十六さんの『言って聞かせ、やって見せて、やらせてみる』です。Adachi1-3

  1. 目的が理解されるまで繰り返し何度も説明します。
  2. そうすることで何が変わるかを伝えます。
  3. 本当に言った通りになるかを体験させます。

そして、体験した結果どう思ったかを確認します。発言の内容からどの程度理解されているかを判断しています。そのため、発言し易い雰囲気作りを心がけています。

 

以上を踏まえて、次回はラオス、カンボジアで実施した5S・カイゼンの基礎研修について解説します。

 

<第1回終わり>