GDMC 執行役員 足立 武士

前回の支援後、海外業務対応等で3ヶ月も間があいてしまいました。今回は近隣の工場と統合したこともあり、その工場の管理者教育をかねて新たな5S活動の実施と本社工場のフォローアップを実施しました。

 

<状況>

本社工場の業務が増え、現工場だけでは生産設備や資材、仕掛品を集約しきれなくなってきていました。工場の拡張を考え様々な方向性について社内で検討してきた結果、近隣の会社を統合することになり、交渉を進めました。そして交渉が成立し、会社を統合することが合意されました。

年明けから正式に本社工場(既存工場)と○○工場(統合工場)として創業を開始しました。

生産対応を考えて全体のレイアウト検討後、今後の生産体制が決定され、設備の移設が開始されました。こうした背景がある中、本社工場で実施してきた5S活動を統合工場でも実施するため、統合工場の従業員への教育が必要になりました。

今回の支援は統合工場の5S活動をメインとした支援を実施することとなったのです。

 

<今回の活動内容の確認>

・基礎研修

統合工場は過去にコンサルタントに依頼して5S活動を展開したことがあり、5S活動については知っていたました。しかし経営者とコンサルタントの反りが合わず、途中で活動が停止した経緯があります。

まったく5S活動を実施したことがない企業と、5S活動を過去に実施した経験がある企業を比較した場合、前者の方がスムーズに支援できることが多いのです。過去に実施した経験のある企業がどの様な活動を展開し、どうして活動が停止したかの理由にもよりますが、多くの場合、従業員の意識の中に“どうせまたやめるんだろう”という考えがうまれてしまい、活動に本気になれないことが多いからです。

そこで、過去の活動内容について確認しました。整理活動を開始し、コンサルタントからとにかく不要なモノを処分しろと言われ続け、意味が分からず廃棄を強要されたことで、経営者がコンサルタントに不信感を抱き、活動を中止したということでした。こうして、ほとんど5S活動を実施していないことが判明したので、それほど弊害にならないことが確認できました。

今回は、なぜ5S活動が必要なのか、活動が進まないポイントは何かについて初めにしっかりと話をしました。更に、統合工場の課長以上が実践活動を通じて活動の目的と手順を理解し、彼らが部下を教育して全社的に活動を浸透させることの重要性についてしっかりと把握してもらうようにしました。本社工場の1回目レポートで報告したのと同様の手順です(ただし、発想力強化については本社工場が主体で実施してもらうことを依頼しました)。

 

5S活動のポイント

  1. 探さない!
  2. ワンアクション!

を基本として活動し、活動するにあたっての約束

  1. 出来ないと言わない!
  2. 失敗を恐れない!
  3. 他人の意見を否定しない!

を念頭に入れてモデル工程の実践活動を開始しました。

 

・モデル工程活動

<チェックシートによる個人の意識の差を知る>

毎度実施している活動メンバーの認識の差を把握してもらう事と、状態を定量的に評価するためにチェックシートによる評価を実施しました。

写真(1)
写真(2)

評価の個人差について理解してもらった上でチームで話合いをし、評価の差を縮めるとともに、チームとしての評価を決定しました。
現状に対するチームの評価は19%。60%の状態を目標にモデル工程で3S活動を実施しることになりました。

 

<実践指導>

写真(3)
写真(4)

今回は上記の梱包作業場(どこが作業場?)の5S活動を実施することにしました。

いつも通り、置いてあるモノを全てどかすことから始めました。

写真(9)

移動が完了したら綺麗に清掃、移動したモノの中から必要なモノと不要なモノを選別し、不要なモノを処分します。

次に、必要なモノを仕事の流れを考えて配置を考えます。

写真(10)

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写真(12)

活動後に再度チェックシートで評価を実施しました。結果65%と目標を達成することができました。

誰もが問題だと認識してはいましたが、生産対応で忙しいことを理由に現状を放置していたのです。忙しいということを理由で放置している心の裏には“めんどくさい、誰も何も言わない”という意識があることを指摘し、状況を改善できるかはやるかやらないかの違いだけであることを説明しました。

写真(13)

 
こんなカイゼンもできました。
不用品として処分する予定だった材料(段ボール、木材)で作成しました。

写真(14)
写真(15)
写真(16)

やればできる事、やることの重要性が理解されました。この活動を水平展開するようにお願いしました。

 

<本社工場のフォロー>

少しずつ活動が浸透してきていますが、細かい所で気になる点がありました。問題点を写真で指摘するとともに、これは全ての従業員が活動の意味を理解しているわけではないことが原因であることを説明の上、なぜ問題と指摘されたかを考えてもらい、対策を講ずる様に依頼しました。

次回の訪問予定は4月27日です。それまでに、チェックシートのオリジナル化、水平展開を実施してくれることになりました。