㈱グローバル開発経営コンサルタンツ

専務執行役員 中小企業診断士 玉井 政彦

 

1. ブラジル全土を5大地域に分けて見よう

ブラジル進出に当たっては、ブラジルの地理、人口動態などを基礎知識と記憶していると便利です。今回は、この視点に立ち、お話をさせていただきましょう。ブラジルは地理的に5分割するのが一般的となっています。下図をご覧ください。図中④の南東部には、皆さん方がよくご存じのサン・パウロ市、リオ・デ・ジャネイロ市があります。筆者は、1976年~1977年までの1年3ヵ月を南東部のミナス・ジェライス州の州都であるベロ・オリゾンテ(Belo Horisonte)の連邦大学に留学する機会を得ました。

ブラジルの地域内の州
 

下表に、各地域内に在る州の名称を記載しています。それらの州の中に下線を引いたものがあります。これらの州には、それなりの数の「日系ブラジル人」が居住しています。

ブラジルの地図
 

2. 1987年当時の日系人口動態

日本人がブラジルに公式に移住を開始した1908年から80年を経過するのを記念して、「ブラジル日本移民80周年記念」事業が行われました。その一環として、1987年7月時点で、日系人口調査がサン・パウロ人文科学研究所(人文研)によって行われました。当時、人文研はその結果を報告書として公表しましたが、この報告を2012年12月19日付でインターネット上に公表しました。その一部をここに掲げます。圧倒的にサン・パウロ州に日系ブラジル人が居住していたことが分かります。

ブラジルの地図

() 上記の数字には、男女別の誤差限界があることが報告書には明示されているが、ここでは割愛する。

上表では数字の合わない箇所があるが無視して、「人文研」公表の数字をそのまま使っている。

大サン・パウロ圏にはサン・パウロ市は含まれておらず、サン・パウロ州にはサン・パウロ市とサン・パウロ圏を除く。サン・パウロ州以外の州は、リオ・デ・ジャネイロ州、エスピリト・サント州、ミナス・ジェライス州の3州。

 

上表で見た通り、1987年当時、日系ブラジル人はブラジル全土で123万人近くが居住していたこと、その内の3割以上がサン・パウロ州、特に、サン・パウロ市に27%近くが生活をしていたことを示しています。

人文研の調査によれば、当時、日系人の都市化が既に進んでおり、都市部に約9割、農村部に約1割が居住していました。IBGE(ブラジル地理統計院)1980年国勢調査時のブラジル全体の都市部居人口の比率は67.59%であり、農村部は32.41%であったことから、人文研は、日系人口の都市居住は、はるかにブラジル全体を上回っているとしています。

ところで、現在、一般的に日系ブラジル人口は、150万人と言われています。1987年当時の日系人口は、既に見たように1,228,000人ですが、人文研は、1980年のブラジル地理統計院(IBGE)の国勢調査によるブラジル総人口に占める日系人口の割合を0.868%として割り出しています。ブラジル地理統計院(IBGE)2010国勢調査の結果(ブラジル総人口:190,755,799)にこの係数0.868%を使うと、2010年の日系人口は1,665,760人となります。筆者が2013年2月に「人文研」を訪れた際に「日系ブラジル人口は160万人に達しているのではないでしょうか」と尋ねてみたところ、対応された方も「160万人には達していると推定している」とのことでした。

<連載第8回終わり>