㈱グローバル開発経営コンサルタンツ

専務執行役員 中小企業診断士 玉井 政彦(著者ご紹介へのリンク)

 

1. ブラジルの地域別人口(2010年)

ブラジル地理統計院(IBGE)公表の 2010年国勢調査結果は次のようになっています(総人口:1億9千100万人弱)。下表の通り、南東部(サン・パウロ州、リオ・デ・ジャネイロ州、ミナス・ジェライス州、エスピリト・サント州)に実に42%が居住していることになります。

ブラジルの地域別人口

参考:国連[Populations and Vital Statistics Report, Statistical Papers Series A Vol. LXVII, 2. Population, latest available census and estimates (2012 – 2013)]の推定値によれば、ブラジルの総人口は、201,032,714となっている。

 

2. ブラジルの人口構造

ブラジル人口の構造は下図に示す通り、典型的な「しずく型」を示しています。

ブラジルの人口構造

日本企業がブラジルに進出する時の経営資源のひとつとしての「ヒト」を考える場合、若い世代が割合として大きいことは、ブラジルが魅力ある進出先国であると指摘できるでしょう。

 

3. ブラジル10大都市の人口(2010年:IBGE国勢調査データ)

2010年当時のブラジル主要都市の人口は下表の通りです。

ブラジルの10大都市の人口

(注)上表の黄色で網掛けした都市は、南東部に在り、橙色の都市は南部の諸州に在る。

上表から分かる通り、2000年と2010年の国勢調査を比較すると、サン・パウロ、ブラジリア、リオ・デ・ジャネイロへの人口増加が目立ちますが、マナウスの増加も注目されます。筆者が勤務していた鉄鋼会社から命じられブラジル留学をしていた当時(1975年~76年)のブラジルでは、サン・パウロリオ・デ・ジャネイロベロ・オリゾンテが、その順番でブラジルの「3大都市」として名を馳せていました。

サン・パウロは商工業の都市、リオ・デ・ジャネイロ(「リオ」)は観光都市であり、ベロ・オリゾンテ(「ベロ」)は鉱物資源を産し、農牧業が盛んで牛肉、チーズを産するミナス・ジェライス州の州都で、純朴で粘り強い人たちの住む町であったことから、パウリスタ(サン・パウロ生まれのサン・パウロ育ち)が金を稼ぎ、カリオカ(リオ生まれのリオ育ち)が金を使い、ミネイロ(ベロ生まれのベロ育ち)が蓄えると揶揄されていました。ベロ・オリゾンテが、今では、第6位の都市に甘んじていることに感慨深いものがあります。

かつて、ブラジリアは「週末になると閑古鳥が鳴く」と言われていましたが(政府職員が旧首都であったリオ・デ・ジャネイロの家族のもとに帰省する為)、遷都から半世紀を経た今では、250万人を超す第4位の都市に成長しました。旧首都リオ・デ・ジャネイロから、ブラジリアに遷都したのは、クビシェッキ大統領(任期:1956年1月~1961年1月)ですが、大統領の一族郎党が新首都一帯の土地を買い漁ったと、筆者が留学当時に聞いた記憶があります。いずれにせよ、遷都の理由は、大西洋の海岸沿いの都市のみが発展する状況に鑑み、開発の遅れた内陸部の発展を期して、ブラジルの臍に当たる場所に遷都した次第です。ブラジリアは1987年にはユネスコの世界遺産として登録されましたが、建設されてから30年にも満たない若い都市が登録されたことは当時としては異例のことでした。

ブラジルの連邦最高裁判所

上の写真はブラジリア計画都市の一角に創設された連邦最高裁判所。

 

<連載第9回終わり>